
中井久夫。精神科医が日常から世相までを丹念に綴るエッセイ。1990年から12年間、神戸新聞に年4回連載された。この著者の静かな語り口を読むと、精神科の臨床カウンセリングを受けているような安らかな心地に包まれる。「癒し」と・・・・[続きを読む]
西藤博之公式サイト

中井久夫。精神科医が日常から世相までを丹念に綴るエッセイ。1990年から12年間、神戸新聞に年4回連載された。この著者の静かな語り口を読むと、精神科の臨床カウンセリングを受けているような安らかな心地に包まれる。「癒し」と・・・・[続きを読む]
『Lennon-McCartney』 より。 I wake up to the sound of music Mother Mary comes to me Speaking words of wisdom Let・・・・[続きを読む]
加藤周一 『芸術の個性と社会の個性』より。 ●みずから絵を描くためには、みずから絵を評価しなければならない。画家が古典を必要とするのは、古典を模倣するためではなく、絵画を定義するためである。彼らは、彼ら自身の時代を無視し・・・・[続きを読む]
次の個展に向けて、只今新作版画を制作中です。まだ詳細は発表できませんが、今は制作で精一杯です。いつも思いますが、新作の制作は初登頂の登山のようです。登ったことがないので、ルートもわからず地図もなく、手がかりもない岩壁を前・・・・[続きを読む]

山本周五郎。作者は昭和初年、千葉県浦安町に数年住んだ。その経験を元に30年後に書かれた、ノン・フィクションに見せかけた精巧なフィクション。この小説には濃厚な経験の気配はあるが、作者は大声で叫ばない。文章の背後、人形芝居の・・・・[続きを読む]

井伏鱒二。寿永二年七月、平家一門は六波羅に火をかけて都落ちした。そのとき、平家某の一人の少年が書き残した陣中日記。これは架空の物語。著者が平家落人の古記録を掘り起こして、行間に実感のある描写を充填した小説版「平家物語」。・・・・[続きを読む]

アルベルト・モラヴィア(千種堅=訳)。10億年前のブラジルで森の消防団が結成された。ナマケモノ、モグラ、モルモットなど、ぐうたらばかりの消防団。のろまなナメクジの報で火事場に急ぐ?眠くて死にそうな消防士のゆく先には、の表・・・・[続きを読む]

アレッサンドロ・バリッコ(草皆信子=訳)。ホメロス作の古代ギリシア語を、著者が現代イタリア語の朗読劇に改変して、さらに現代日本語に訳した本。著者の前書によると「使っている煉瓦はホメロスのものだが、出来上がった壁は」200・・・・[続きを読む]

ボルヘス(土岐恒二=訳)。アルゼンチンの図書館長ボルヘスの幻想小説。主人公はローマ軍団の司令官。西暦3世紀、彼は砂漠のかなたに伝説の不死の人々の都を発見するため出発する。やがて不死の人々の都にたどりつき、そこで古代ギリシ・・・・[続きを読む]

中島敦。三蔵法師と悟空、八戒、悟浄の冒険物語を、カッパの悟浄が独白で語る短編。のろまで愚図な悟浄が、自己及び世界の究極の意味に就いて、悩み迷い、遍歴する。あるとき彼の苦悩の前に菩薩が現れ得度し給う。「世界は、概観による時・・・・[続きを読む]