DONT LOOK BACK に寄せて

Posted 2013-09-20

ひろの亭主人・藤枝博文氏より、今回の企画へ寄稿文をいただきました。以下に転載します。

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ボブ・ディランは二度、鬼になった。
一度目はトラディショナルなフォークソングの世界に<純文学>を持ち込んだ時に。二度目はニューポート・フォーク・フェスティバルにエレキギターを持って登場した時だ。鬼の所業に、人々は恐れおののき、石を投げた。
「鬼は外」

ボブ・ディランが半跏像になっている。
これは冗談?  それともマジ?
どちらもアリだろう。普通に見れば菩薩である。しかも何かしら含むところのあるようなビミョーな顔でもある。観るほうは、どうすればいいのか、分裂してしまう。それがいい。行き場のない感情が生まれました。それでいいのではないか☆半跏像。

ところで仏というもの。仏教とは他ならぬ人間が仏に成る、そのためのいたってシンプルな物語である。少なくとも釈迦の時の原始仏教ではそうである。けれどもシンプルだからと言って簡単にできるものではない。シンプルだからこそ、後に続くものたちは切り捨てられた諸々について考えなければいけなかった。そのために仏教はのちに膨大な仏典を生むことになる。