David Driskell の素描

Posted 2016-05-26

一昨年の Paul Resika に続いて、去年は David Driskell の作品を買いました。
一昨年に引き続き作品を模写しようと思いました。銅版画の Resika の作品は銅版と木版の違いはあるにせよ、版画という表現の接点を手掛かりに、私なりの模写作品を作ることができました。ところが、今回の相手は Driskell の木炭素描の作品です。線を重ねる素描作品に対して、私は木版画で模写しようと思っても、手も足も出ませんでした。
苦し紛れに私は、素描作品の線をベクトルの要素で解体して、再び組み立てることを思いつきました。Driskell の線を2種類に分解できると思い至ったのです。しかし Driskell の素描のスピード感に追いつくためには、版画の工程のスピードを上げるべしと思いました。模写した下絵による第一版の板を刷って乾く間もなく第二版の板面を構成して下絵を描いて、描いた下絵を無視して第二版の板を彫って刷る、という一日の工程です。この工程で、模写でも何でもない私の新しい作品が生まれました。

David_Driskell Driskell_by_Saito