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鬼の手の3コード

投稿日 2011-09-30 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

「音に聞えし羅生門、さてまた聞えし大江山、鬼神が住んでわざをなす」と謡われた鬼が、渡辺綱の剣の一太刀で手を斬り落とされる。「斬つたる鬼の手を取りて見れば、漆にて塗つたる如くに真黒なるしかり毛生ひ、指三つある手」であったと・・・・[続きを読む]


大衆割烹あら川

投稿日 2011-09-24 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

富山駅前の大衆割烹あら川。1999年以来、私の版画作品を店内のあちらこちらに置かせていただいている。常設展示といえば聞こえはいいが、毎晩酔眼に作品がさらされている。ここは画廊ではなく飲み屋なので、作品をさらす方も気楽であ・・・・[続きを読む]


読まずに死ねるか!

投稿日 2011-09-16 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

四半世紀の昔、私は送別会でしたたか酔っぱらって西武新宿駅を降りた。乗り換えの電車はなくなっていた。雨降る3月の午前零時過ぎだった。ポケットにはタクシーを拾うお金はなかった。お金もないのに新宿ゴールデン街へ足を向けた。雑誌・・・・[続きを読む]


老人と海

投稿日 2011-09-09 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

アーネスト・ヘミングウェイ(福田 恆存=訳)。私にとってのバイブル。クリスチャンではない私が聖書と言っては、鬼に舌を抜かれるから、この本と私のかかわりを述べる。最初に読んだ時期は覚えていない過去。何度読み返したかは数えて・・・・[続きを読む]


旅のあとさき

投稿日 2011-09-02 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

「その頃も旅をしていた」と、はじまるのは開高健の小説です。私も旅をします。旅にでると、アトリエの軟禁生活から解放されて、制作中は見えなかったものが見えてきます。車窓に流れる明るい風景、明滅する見慣れぬ街の灯り、気の遠くな・・・・[続きを読む]


ないたあかおに

投稿日 2011-08-26 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

はまだひろすけ:さく。あかおには、まいにち、ひとりで、おもっていました。「わたしは、おににうまれたが、にんげんたちと、なかよく、くらしていきたいな」。しかし、ごかいされ、さべつされ、あかおにのきもちは、つたわりません。そ・・・・[続きを読む]


王様はロックンローラー

投稿日 2011-08-19 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

フォルカー・クリーゲル(恭子&ヴォルフガング・シュレヒト訳)。王様は世界中のなによりもロックンロールが好きだった。しかし、王様はリズムの取り方が下手くそだった。王様は、高い身分ではあったけれど、自分に対しては謙虚で、ロッ・・・・[続きを読む]


IT’S ONLY ROCK’N’ ROLL

投稿日 2011-08-12 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

京都の三十三間堂に入ると、最初に雷神がいます。長い長いお堂の最後に風神がいます。この遠く離れた二つの鬼神を一つの版画のなかに収めると、何が起こるのかと新作に着手しました。風神と雷神が近付くと、もくもくと入道雲が立ちあがり・・・・[続きを読む]


鬼は、ROCKである。

投稿日 2011-08-05 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

私の版画制作室に、鬼が発生しました。それも単体ではなく群生しはじめたようです。以前から仏像の殿堂へ足を運ぶ度に、天部の足元にうずくまる鬼や、五重塔の五層四隅で屋根の重みに耐える鬼たちの存在は気になっていました。今度、「風・・・・[続きを読む]


火を熾す

投稿日 2011-07-29 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

ジャック・ロンドン(柴田元幸=訳)。九つの短編を収める一冊。なかでも私が心を打たれるのは「メキシコ人」と題する一編。ボクシングのリングとメキシコ革命が並行して描かれる小説。リングで殴られることも革命で立ち上がることも、痛・・・・[続きを読む]