狐の手袋

Posted 2011-11-18

田村隆一。この詩集が刊行される前に、私は鎌倉でこの詩人と会う機会を得た。ファンだった私は、詩人宅を訪ねた。しかし、会う度胸があるはずもなく、家を見ただけで引き返した。坂を下った雑貨店でウーロン茶を買って、店のおばあさんと話しはじめた。「どこから?」「富山から」「なにしに?」「詩人の田村さんのファンでね。さっき家みてきた」「あら!田村さんならよくいらっしゃいますよ。今、電話してあげる」、という縁を得て一行の詩をいただいた。
『 きみは 肉声を聞いたことがあるか 』 1994年11月21日。