日本の鬼

Posted 2012-04-20

近藤喜博。私は去年の夏にこの文庫本を買いました。それ以来この本を読み重ねて鬼の版画や彫刻を制作しつづけています。仏像を底本に作品制作する場合、仏の姿勢や手の印形は様々な意味を帯びているため、制作に知性が求められます。鬼の場合は造形の約束事がないため、何となく、こんな感じ、私の勘を頼りに鬼を制作します。制作中に画室の外から子供たちの遊ぶ声が聞こえてきました。鬼ごっこです。民俗学的にも興味深い問題を孕む遊びですが、仏陀よりも風や水や神のように、鬼は日本に遍在します。