ジャコメッティ

Posted 2012-07-21

矢内原伊作。著者がモデルをしていたとき、この芸術家との対話を記銘した本。ジャコメッティは一日の休みもなしに、仕事を続けた。矢内原の前でタブローと格闘しながら独白する。「われわれの仕事、これは人間的でない。私は蟻と同じだ。蟻でも眠る時間はあるだろう、しかし目ざめている限り働かざるを得ないのだ」。この活動のなかで「私は千年生きたい。せめて五百年でもいい、五百年生きられたら相当の進歩ができるだろう」。わが国の地獄草紙絵巻から百鬼夜行絵巻まで約三百年。私もせめて五百年生きたい。