鬼手仏心とは?
Posted 2012-03-09鬼手仏心は『きしゅぶっしん』と読みます。この言葉は私の造語ではありません。昔の日本では、外科手術のことを鬼手仏心といったそうです。生きる人体を切り開く外科医療は鬼のように冷酷な手術ですが、術の心には病の治癒を願う仏の心が宿ることをいったのです。語源は古い仏典らしいですが、この語意と私の作品は関係がありません。日本では昔から、鬼の手は三本指なのです。この件は以前のblog鬼の手の3コードに書きました。私の作品の鬼の三本指の爪は、ギターを鳴らすピックです。この鬼の手はギタリストの手を表現したものです。果たしてこの鬼の手からは、仏の心が宿るどんな音楽が奏でられるのでしょうか。医は仁術であるという意見は、赤ひげ診療譚で厳しく退けられました。癒すだけが医術の、音楽の、美術のテーマではありません。鬼の手で病の患部を切り開くのが、この個展のキーです。