鬼手仏心・延焼

Posted 2012-05-19

個展「鬼手仏心」只今開催中です。ここに書くのは作品解説ではありません。木版画と並行して制作する木彫刻について私が漠然と感じることを書くことによって、私自身が理解できるかもしれません。『鬼』という主題で作品制作する場合、平面の木版画作品には様々な要素、見どころを盛り込みますが、立体の木彫刻作品は『手』だけで十分表現できることがあります。この作品は鬼の手が切れたケーブルを握るものです。ケーブルは楽器店で買った本物です。エレクトリック音楽のアンプラグドを表現しようと制作しました。見慣れた工業製品が木彫刻と融合してメッセージを発します。鬼が作者の耳元でささやきます。「絆、切断」。何の絆ですか?どこに繋がっていたのですか?これはエレキギターとアンプを繋ぐケーブルでしょう?私自身が理解できないまま、謎と議論を孕みつつ、個展「鬼手仏心」は延焼中です。