笑うショーペンハウアー

Posted 2011-04-22

ラルフ・ヴィーナー編著(酒田健一=訳)。19世紀の哲学者ショーペンハウアーの「哲学の厳粛さにそぐわない」とされてきたユーモアな面を編んだ本。彼の哲学は、彼の厭世主義を機知で飛び越える。『序文を読んで自分が撥ねつけられていると知った読者は、この本は身銭を切って買ったのだから、どう損害を賠償してくれるのかと問うだろう。しかし本というのものはすぐに読まずとも、書棚の隙間を埋めることができるし、教養ある女性のテーブルを飾ることもできる。私がお勧めするのは、この本を批評することだってできる。』