Posted 2012-06-30

オールダス・ハクスレー(片桐ユズル=訳)。195ページ、「悲しみを見せよう―しかし仏陀がいったのはそれだけではない。彼は悲しみの終りを教えてくれた」。これはインド洋上の小島に漂着した英国人を主人公にした小説の一節です。主人公が利権獲得のために島へ密入国した後、島の高い文化と叡智がユートピアとして描かれます。この島は侵略もされず鎖国を守り、独自の精神を育んだそうです。どこかの国みたいですが、「ユートピア」とは「そんな場所は存在しない」という意味のギリシャ語です。悲しみよ、こんにちは。